受験生と励ますさん第2章_1

受験生と励ますさんの物語

今回の内容には励ますさんは出てきません。
その代わりに別の人物が…!?
いよいよこの物語にも大学入試についての情報が盛り込まれてきます。


第2章_1 大学受験準備-入試概要編-

 ガタンゴトン、ガタンゴトン。
 私は今、地元の図書館へ向かっている。

 励ますさんは、隣にはいない。
 励ますさん曰く、ずっと実体化しておくのには体力を使うとかなんとか。
 『また、にいちゃんが困ってたら、出てくるわ!』、そう言い残して、昨日の帰路途中に消えていった。

 励ますさんは、やっぱり不思議な人だな、と考えるうちに、目的地付近へと到着していた。
 図書館は、百貨店や飲食店などが入ったモール型の建物の中、5階にある。
 暫くじっとしていた私は、エレベーターから降りた。

 「どこの席がいいかな…。」
 私は図書館の一番奥のスペース、窓際の勉強机を確保した。

 今日調べることは既に決めてある。
 それは、関西学院大学の総合心理科学科(以下、関学心理)の受験科目を調べることだ。
 荷物を置き、早速、私は受験本があるコーナーへと足を運び出した。

 そこには、ズラリと並んだ受験関係の本が収められていた。
 その中でも、タイトルに大学受験案内と書いてあるものを手に取った。
 開いてみるとそこには、各大学の学部や学科(専門とする領域)に入学するために必要な受験科目が載っていた。
 関学心理の名前もそこにあった。

 受験科目欄を見ると、関学の入試では、関学側が予め用意した複数科目のうち、3科目を選択して、受験し、それらの総合得点によって合否が決まる(このように大学側で用意した試験のみで合否判定する入試を一般入試という)。
 関学の一般入試は複数日に渡り、同じ学科でも、試験を複数回受けて合格するチャンスを増やすこともできるようだ。

 選択科目は国語、英語、地歴(日本史、世界史、地理のいずれか選択)、数学があったが、私は国語、英語、世界史の3科目で受験することを決めた。
 理由は単純で、消去法でそれらが一番できる気がしたからだ。

 また、関学心理へ入るためには一般入試以外にも、センター試験を受け、センター試験の結果を利用することも可能なようだ。
 センター試験というのは、毎年1月中旬に実施される、全国で一斉に行われる大学入学テストだ。
 多くの私立大学では、このセンター試験の結果をもって、合否を判定する制度がある(これをセンター利用という)。
 関学もその例外ではなく、私の場合、一般入試同様の国語、英語、世界史でこの方式が使えるようになっていた。

 私はパソコンが使えるブースへ行き、関学一般入試とセンター試験について「関学 一般入試 対策」とか「センター試験 試験問題」とか、とにかく様々なキーワードで検索して情報を集めることに専念した。

 情報を集めていくと、分かったことがあった。
 どうやら、一般入試もセンター試験も、マークシート型の試験のようだ。
 マークシート型の試験とは、例えば、
 問1、1+1は??と言う問題に対して、 ①2 ②3 ③0 ④5という選択肢の中から、手元に配られたマークシートという用紙の、問1の欄の①を鉛筆で塗りつぶす。
という具合に進めていく形式の試験だ(要するに問題に対して複数選択肢があり、その中から正答を選び、マークシートに記入していく試験)。

 私は、センター試験も関学一般入試の試験も、マーク形式の試験なのだと、ここで初めて知った(厳密にはセンターは全体得点のうち100%マーク、関学一般については100%マークの試験日と、75%マーク、25%筆記の試験日とがある)。

 インターネットを使い、もう少し詳しく調べていくと、関学一般入試の問題は、センター試験の問題とよく似ている部分が多いとか、センター試験が解けるならば、後は関学の一般入試の過去問などをして対策すればなんとかなる、という旨の内容が載っていた。
 信ぴょう性はさておいて…、先ほど確保した勉強机へ一旦戻ることにした。

 手元には、センター試験と関学一般試験の過去問本とがある。
 二つの試験問題を並べてみると、確かに、問題文や問いの形式は似ているのかもしれないと、素人ながら思えた。
 この方向で進んで良いのか自信はなかったけれど、まずはセンター対策をして、センターの問題が解けるようになってから、関学一般の対策をすることに決めた。
 どうせ自分の学力なんて今は知れてるので、これから学力アップしていく出発点として、センター対策から始めよう、そういう思惑だった。

 ふと館内の壁に掛かっている時計を見ると、時刻は午後6時頃を示していた。
 こんなにも勉強に時間をかけたのはいつぶりだろうか。
 「ひとまず、今日はこのへんにしておこうかな…。」
 荷物を片付け、席から立ち上がろうとした時…。

 「…あれ?神崎くん??」
 私は、どこかで聞いたことのある声だ、と思った。
 顔を上げてみると、中学時代のクラスメイトだった赤井さんが、そこに居た。
 手に持っている本からすると、彼女もまた、受験勉強をしに来ているようだった。
 「神崎くんの手に持ってるのって、入試の過去問だよね??…へー、関学かー…。結構難しい学校目指してるんだね…。…受験勉強頑張ってね!!」

 一般的に関学の難度が高いかは置いておいて、素直に応援してもらって嬉しく感じた。
 「ありがとう、そっちも勉強頑張ってね。」
 じゃあ、と挨拶をして、図書館の出口のところまで来た。

 なんだか女の子に受験勉強を応援されて、気持ちがよかった。
 「っしゃ。がんばろ!!」 

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