受験生と励ますさん第3章

受験生と励ますさんの物語

受験勉強をしているのに、模試などで結果がなかなかでない…。
そういう経験ないでしょうか?
私も実はそうでした。

今日は受験勉強をしだしてから初めての模試のお話です。


第3章 初めての模試は緊張した

 7月某日。

 受験勉強をはじめて2ヶ月ほどが経った。

 ある学校の放課後、顧問の先生に出会った。
先生に出会うのは陸上部を引退してから久しいことだった。
 先生が勉強の調子を尋ねてくださった後、私にこう言った。
 「…ああ、そうだ、お前、模試を受けてみろ。模試受けて、自分が今どのくらいの学力か把握しとくのも大切だぞ。」
 そう言われて、私は、それまで模試のことを考えていなかったことに気づいた。

 顧問の先生は模試について色々と話をしてくれた。
 模試には校内模試と外部模試があるらしい。
 高校生になって、学校で定期的に行われる校内模試は、これまで何度か受けていたものの、外部模試は受けたことがなかった。
 外部模試は学生でない受験生、つまり浪人生も受けるため、学生のみが受ける校内模試に比べて、より正確な受験生全体からの結果分析ができるそうだ。
 外部模試というのは、有名どころであれば、河○模試や代○木模試、駿○模試などが挙げられる。
 先生の言葉のきっかけもあり、私はこの時、初めて外部模試を受けることにした。

 受験勉強を始めて、2ヶ月が経ったのだ。
 少しくらい結果が出始めても良いはずだ。
 私は、そんな安易な気持ちでいたのだった。

 そして、模試当日のことである。
 私は、模試会場の最寄駅へ電車で向かっていた。
 普段乗ることのない方面への電車だった。
 模試を外部に受けに行くなんて、初めてだったからかもしれない、私はとても緊張していた。
 この電車に乗っている人たちの、果たして何人が模試を受けに行くのだろう。
そう考えているうちに、会場の最寄駅に到着していた。

 最寄駅へは、時間に少し余裕を持って到着した。
 模試試験は昼休みをまたぐので、私は近くのコンビニで昼食を購入し、会場へ向かうことにした。

 会場に着くと、入り口付近に、たくさんの受験生が集まっていた。
 受験生が群がる当たりに、模試会場となる教室の記載された案内板があった。
 私は、その案内に書かれている受験番号と、受験票の受験番号とを照らし合わせて、教室を確認し、そっと受験会場へ移動を始めた。

 外部模試というのはこんな感じなのか、きっと試験本番の日も、このような感じなのだろう。

 そして、教室に入り、私は自分の受験席へと辿り着いた。
 席へ着くと、まもなくして、試験官が教室へ入ってきた。

 問題用紙が配られる。
 しばらくの沈黙の後、鐘が鳴り、「はじめてください」という声とともに、皆一斉に試験を解き始めた…。
 私も同じように、今できる限りの力で、必死に、問題を解いたのだった。

 …キーンコーンカーンコーン。
 試験官の「止めてください」、という声で、模試試験は終了した。

 今、私の頭からは煙が出ているに違いない。
 戦意喪失だった。
 なぜなら、問題が全然解けなかったからだ。

 一応、受験勉強を初めてから、2ヶ月が経ち、それなりに毎日頑張っていたつもりだった。
 それゆえ、完璧とまではいかなくても、ある程度問題が解けるのではないか、そう思っていたが、それはあまりにも、甘い考えだった。

 放心状態になった私の身体を、電車が運ぶ。
 いつのまにか、自宅の最寄り駅に着いていた。
 とぼとぼと私は、自宅へと足を向かわせる。

 「にいちゃん、初めての模試、どないやった??」
 帰路の道中、いつの間にか現れた励ますさんが言った。
 私は無言だった。
 あまりの試験のできの悪さに、返す言葉が見つからなかったのだ。
 励ますさんは、そんな私の表情を見て、少し悲しげな様子だった。
 「全然できひんかったんやな?受験勉強始めてから少し経ってるから、それなりにはできるやろうなー思ってたけど、できひんかったからしょげとるんやな?」
 励ますさんのいう通りだった。

 「あんな、にいちゃん?にいちゃんがこの2ヶ月で勉強してきたのはなんやった?英語、国語ともに単語とかキーワードとか基礎知識の部分やなかったか?世界史に関してはあんま思うように勉強できてへんかったんちゃう?」
 私は自分のこれまでの2ヶ月の勉強を思い返して、それから答えた。
 「…うん。確かに単語ベースのものが多かったよ。世界史は…そうだね。英語、国語が手一杯であまり進められていなかったよ。」

 励ますさんは微笑んでこう答えた。
 「それやったら、まだできひんのもしゃあないんちゃうか。模試では問題数的にも得点的にも出題割合の多いのは、本文とか長文の問題や。にいちゃんはまだ長文の解き方対策はしてへんのやろ?たしか、それを対策するのは、立てた計画でいうたらもう少し時期が後やったんちゃう?」
 私はそれを聞いて、まてよ、確かにと思った。

 漠然と2ヶ月勉強したので、結果がそれなりに出るだろうと思っていたが、結果がでないのも励ますさんのいうことを聞いて理解できる。
 結果が出はじめるとしたらそれは、本文や長文の解き方の対策、つまり問題を解くための直接的な対策をしだしてからではないか。

 励ますさんは私の表情をみて、悟ったようだ。
 「うん。分かったみたいやな。にいちゃんはきっと大丈夫や。立ち直ったようやし、うちは帰るな!」
 そう言うと、励ますさんの姿はだんだんと消えていった。

 勉強しているからといって結果が出るとは限らない。
 今している勉強が、どの部分の力を上げる勉強なのかをしっかりと認識することが、大切だと感じた。
 今は結果が出ないかもしれない。
 けれど、本文や長文の対策をしている頃には、きっと結果は出てくるはずだ。

 ショックは残るけれど、もう少し踏ん張ってみようか、そう思えた。
 こうして、初めての外部模試は、収穫の多い体験となったのだった。

今している勉強が受験全体で考えたらどの段階の勉強なのかを意識することが大切なんですね。

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