受験生と励ますさん第8章

受験生と励ますさんの物語

そろそろ物語も終盤です。
お話はセンター試験を終え、一般入試を迎えます。
センター試験を終えてから一般入試の当日までどのように過ごしたのでしょうか。
では物語の続きをどうぞ。


第8章 まだ入試は終わらないゾ、一般試験

 1月某日。

 センター試験が終わり、数日が経った。
 これから、友人たちで集まって自己採点をする。
 自己採点をするのに、黙々と一人でするのは、何とも息が苦しそうだ、ということで、同意を得たメンバーで集まったのだった。
 場所は、とある定食屋さんだ。

 雑談を交えながら、食事を頬張る。
 皆あえて試験のことは話題に出さなかった。
 そして、夕食を終えた私たちは、そろそろするか…。
 という空気を醸し出し、それぞれが問題用紙をテーブルへと出し始めた。

 解答はインターネットへと、既に上がっていた。
 問題用紙には自分のマークした解答番号に印をつけていたので、それと解答と照らし合わせながら採点していく。

 定食屋なのに、このテーブルの一角だけ、張り詰めた緊張感を漂わせていた。
 一問一問の丸付けをしていく中で、よしっ!とか、あ~、など一喜一憂の声が舞った。
 そして約一時間が過ぎた頃。

 ようやく全ての教科の丸付けが終わった。
 自己採点が終わり、私は気が抜けて、だらーんとしてしまった。
 周りを見てみると皆も同様の様子であった。

それから30分ほどが経って、とりあえず今日は解散しようか、という流れになった。

 「それじゃあ、また一般入試に向けて頑張ろう!」
 という結びの言葉で、私たちは散り散りになった。
 皆、今はそれぞれが言葉で表現しづらい複雑な気持ちを抱えていたことだろうと思う。

 私もまた複雑な気持ちだった。
 自己採点の結果、国語、世界史ともに過去に受けた模試と比べて最高得点だった。
 ただ英語に関してはこけてしまい、3教科合計すると、どうもセンター利用では関学心理へ合格することは難しいラインだった。
(英語145点/200満点、リスニング22点/50満点
 国語166点/200満点
 世界史84点/100満点)


 私は、センター試験に対する名残の気持ちを抑えて、これから一般入試へと集中していかなければならなかった。
 あとは関学一般入試の過去問をなるべく多く解き、一般入試の問題形式に慣れ、得点できるようにしていくことが必要だ。
 一般入試前日まで、私は過去問をとにかく解き続けたのだった。


 そしていよいよ、明日、一般入試を迎える。

 まただ…。
 寝床に就いた私は、不安になっていた。
 一般入試を前にして、また、問題は解けるのだろうか、本当に受かるのだろうか、という不安で一杯の気持ちになっていた。

 …目の前には、広大で真っ暗な空間が広がっている。
 そこへポツンと、机と椅子があり、私は椅子へ座っている様だった。
 勉強をしていた。
 問題が、なかなか解けない。
 突然、頭の中に、「大丈夫や、落ち着いたらきっと解ける。」という声が聞こえた。
 すると魔法がかかったかの様に、私は、問題をスラスラと解き始めることができた…。

 ハッとして目が覚め、部屋を見回した。
 すると少し離れた勉強机の椅子に、励ますさんがちょこんと座って、こちらを見ていた。
 励ますさんは私を見ると、ニコッとしてこう言った。
 「今日でいよいよ最後やな。にいちゃんは大丈夫や。センター試験も無事に乗り越えたやろ?その勢いのまま今日も頑張ってこればいいんや。」
 その言葉を素直に受け取ることができなく、私は不安を口にした。
 「でも、センター試験の結果だけじゃ、関学の合格は厳しい結果だったよ…。だから一般入試でも本当に合格できるか不安でたまらないんだ。」
 励ますさんの表情は変わらず、うん、と頷いてこう答えた。
 「それでも結果、過去最高の総得点を取れたんやんな?それはなんでやと思う?」
 なぜだろう、私はしばらく考えた。
 それから、こう答えた。
 「あの時は無我夢中で、自分の今までしてきた成果をこの試験にぶつけよう。それしか自分にはできない。そう思って必死に試験を受けていたよ。」
 …そうだった、口にして私は気づいた。
 センター試験の時は結局、今自分にできることはこの試験に今までの成果をぶつけることだと強く思っていたではないか。
 それは今回でも、やはり同じではないのか。

 励ますさんが言った。
 「もう大丈夫やな。今日頑張ってきいや。」
 そう言うと、温かな表情を残して、いつもの様にだんだんと消えていったのだった。

 もう大丈夫だ。
 励ますさん、ありがとう。
 私は心の中でそう言った。

 身支度を済まし、駅へと向かう。
 確かに不安がなくなったわけではない。
 けれど、できることは決まっていた。

 時間に少し余裕を持って会場へと到着した私は、考える。
 また、励ますさんに、励ましてもらった。
 励ますさんだけではない。
 私の受験勉強を支えてくれた人はたくさんいる。
 両親、先生、友人。
 本当にありがとう。

 試験会場の教室に着くと、私は受験する席へと座った。
 少しして、とうとう、試験官が教室にやってきた。
 問題用紙が配られる。
 あとは、試験開始時間が来るのを待つだけだ。

 その時、私は思っていた。
 センター試験の時と同じ気持ち。
 それが今の私にできる精一杯のことだ。
 今ある全力をこの試験へとぶつけよう、と。

 そして、いよいよその時はきた。
 …キーンコーンカーンコーン。
 「それでは、はじめてください。」
 試験官の声が、私の頭の中へと響いた。

試験本番ってものすごく緊張します。そりゃ緊張しない人もいるのかもしれないですが…。
けどやっぱり不安とか緊張とかある中でも、毎回最後に思うことは”今できる最大限をぶつけよう”ということなんですね。
よかったら皆さんもこの気持ちで試験受けられたらな、と思います

LINEで送る
[`yahoo` not found]

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.




CAPTCHA